誰かに手紙を書きたくなる。
ツバキ文具店 小川糸
どんな話?
鎌倉で文具店を営みながら、手紙の代書を請け負う鳩子が主人公。
代書の依頼人や鎌倉の人々との交流を通して、すれ違ったまま亡くなった祖母の想いに気づいていきます。
憧れの「丁寧な暮らし」
近所の人と海にご飯を食べに行ったり、お花見したりとほんとに「丁寧な暮らし」という言葉がぴったりな生活を送っている鳩子さん。
バーバラ夫人、男爵、マダムカルピスなど近所の人たちもみんなとても粋ですね。
私は都会育ちで近所の人と交流したりする機会があまりなかったので、この本に出てくるような生活は憧れます。
代書屋のお仕事でも依頼人のことを考えて紙、筆記用具、字体を選んでいく。
ほんと素敵.....!
挿絵のように鳩子さんが書き上げた手紙が載っているのがまた良いですね。
実際に見ることでイメージが湧きます。
手紙、書いてますか?
私自身、友達とかに連絡する時はLINEを使ってしまいほとんど手紙を書くことはありません。でも、たまには便箋や筆記用具にこだわって手紙を書いてみるのもいいですよね。
そして、ガラスペンや万年筆を使いこなせる人ってかっこいい!
私も綺麗な便箋に素敵なインクでとは思うんですけど字が汚いのでね......。
(友人に「重力に押し潰された字」と言われた女)
ペン習字やろうかな。
この本を読んでいると、手紙とはかなり距離がある私みたいな人間でも手紙じゃないと伝わらないこともあるのかもしれないと思わされます。
内容的にも人を想う話が多く、じんわりと心に染みる一冊です。